交通事故で起こる【むち打ちとは?】
【むち打ちとは?】
「むち打ち症」という名前からは、ムチで強く叩かれた際にできる外傷を連想しますが、本来は「ムチ振り症」とでも言うべきでしょうか。
胴体の上にやや不安定な状態で乗っている重い頭部が、 強い衝撃により「ムチを振り回してしなる」時のようなS字の動きを強いられることにより、頭痛・めまい・吐き気・それ手先のしびれなど、様々な症状が出現するものを総称して「むち打ち」と呼んでいます。
〈むち打ちの原因〉
皆さんもご存知の通り、自動車事故(特に、追突・衝突・急停止)などにより発生することが多いです。
その強い衝撃で頸部などに痛みや障害が発生します。
また、交通事故以外でも、労働災害やスポーツ障害(ラグビー、サッカーなどのコンタクトスポーツ)による発症例もあるので、注意が必要ですね⚠
〈むち打ちの分類と症状〉
上記でも話したように、「むち打ち症」は正式な傷病名ではなく、総称です。
正式には「5つ」に分類されています。
①頸椎捻挫型
→首の筋肉や靭帯などが損傷され、首、肩、背中の痛みや運動制限が起きる。
→靭帯や関節包、筋肉などの障害のため、外見上あるいはX線診断では異常が見られないことが多い。
②根症状型
→頚椎(首の骨)自体に変形があったり、頚椎の配列に歪みが出来ると、そこを通る神経が圧迫される状態。
→症状は、首の痛みだけでなく、腕の痛みやしびれ、だるさ、後頭部や顔面に痛みが現れることもある。
→咳やくしゃみ、首を動かしたりすると症状が強まることもある。
③バレ・リユウ―症状(後部交感神経症候群)
→血流・血行を支配する交感神経が損傷。
椎間板や筋肉による圧迫により、脳へ流れる血管(椎骨動脈)が圧迫される。
頭痛、めまい、耳鳴り、吐き気などの症状が現れる。
④脊髄症状型
→頚椎の中央部を通る脊髄が傷つくことにより、下肢のしびれ等が起こる。
→歩行に支障をきたすこともある。 →まれに尿や便が出にくくなるケースもある(膀胱直腸障害)。
⑤脳脊髄液減少症
→脳を守っている脳脊髄液が、事故等により減少し脳に負担がかかっている状態。
→症状は多彩で、頭痛・疲労感・イライラ・不眠など、気圧等の変化で症状が変化することもある。
→まずは①〜④が疑われ診断されるため、判明するのが遅れるケースが多い。
〈むち打ちの予防〉
正直なところを申しますと、むち打ち症は基本的に予防は困難です。
事故直後は自覚症状はなくても、2~3日後から症状が現れるケースも少なくありません。
放置すれば回復が遅れ、後遺症が残ってしまう可能性もあります。
万が一、交通事故にあってしまった場合は、出来るだけ早く受診・治療するようにしましょう。
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