足関節捻挫
スポーツで最も頻繁に発生するケガの一つが捻挫です。
なかでも足首捻挫(足関節捻挫)は捻挫の中でも最も多く発生します。
さらに足首の捻挫は再発することや慢性化することも多く、適切な治療やリハビリ、再発予防が重要になります。
【足首の構造】
足関節は脛骨、腓骨、距骨の3つの骨より成り立ち、外側(腓骨側)は前距腓靱帯、後距腓靱帯、踵腓靱帯で囲まれています。内側(脛骨側)は三角靱帯という強い靱帯で守られています。
【受傷原因】
スポーツ中にターンで滑ったり、ジャンプの着地足の上に乗ったりすると、急激に内側へ捻る動作(内反)が強制され、外側にある前距腓靭帯などが伸びたり断裂します。
約90%が外側の靭帯を損傷する内反捻挫です。
バレーボールやバスケットボール競技で特に多く発生します。ジャンプの着地時に人の足の上に乗り、足関節の内反が強制されて起こる場合が最も重症で復帰までの期間も長くなります。
踏ん張ったり、ターンや滑って足を捻る受傷はサッカー、ラグビー、アメリカンフットボールなどにみられる接触プレーをはじめ、野球、体操競技、テニスに多く発生します。
【捻挫をしてしまったら】
急性期では受傷部位を確認し、包帯、テーピングによる固定、アイシングを行い、痛めた足を心臓より高くに挙上し安静を保ちます。自分で足をついて歩けない強い痛みを感じるようならば、まずは整形外科(できればスポーツドクター)の受診を。靭帯の断裂や微細な骨折の可能性も考えられます。整形外科の診療時間外でのケガであれば、まずは接骨院で応急処置をしてもらいましょう。
【治療・リハビリ】
受傷早期はアイシング、物理療法、重症度によってはシーネ・ギプスによる固定などが行われます。
急性期が過ぎると足関節の運動制限をきたすため、痛みがない範囲でのアキレス腱のストレッチング、足趾の運動、さらに患部外のトレーニングによる機能低下の予防が大切です。
足首の動きで痛みがなくなってきたら、機能改善のトレーニングへと進みます。
内反捻挫では腓骨筋、殿筋群の機能が低下します。特に腓骨筋は内反を制動するために必要な筋肉になるので必ずトレーニングを行います。チューブトレーニングなどまずは負荷が少なく体重がかからないエクササイズで機能を改善していきます。
体重をかけても痛みが減ってきたら段階的に負荷をかけ、筋力トレーニングやジャンプ・走るなどといった動作を行い競技復帰を目指します。
①足趾のエクササイズ
踵はしっかりとつけたまま、他の4趾はつけたまま母趾のみ浮かす。4趾は浮かせて母趾のみつけるといった足趾機能を高めるエクササイズです。
②腓骨筋トレーニング
足首にチューブを巻き付けます。そこから足首を斜め外上の方向へ動かしていきます。
注意点としては、チューブに引っ張られて早く戻さない!チューブを指の近くにはかけない!
ここを注意してやってみてください。
【再発予防・メンテナンス】
痛みの強い捻挫。繰り返し受傷している。ハードなスケジュールやトレーニングで身体に負荷がかかっていると再発の危険度が上がってきます。定期的にお身体のメンテナンスを行い、再発予防を図る必要があります。
当院では再発を予防しケガに強い足首にするサポートをしています。
・足首の周りの組織の硬さを評価し、足首の骨(距骨)の位置に影響を与えていないか調べます。
・足の指の筋肉や、スネの外側の筋肉の機能を評価し、不意な負荷がかかっても、足首を防御できる機能を満たしているか確認します。
・足の裏のアーチを評価し、捻挫しやすい形状になっていないか調べます。
・足首を捻りやすい動作になっていないかチェックします。
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