テニス肘(上腕骨外側上顆炎)
テニス肘はその名の通り、
テニス選手における発生が多いことからその名が付きました。
テニス以外では卓球やゴルフにおいても発生することがある他、
酷くなると日常生活においても支障をきたすことがあります。
今回はそんなテニス肘について、詳しく解説していきます!
-----------------------
1.テニス肘の概要
2.発生メカニズム
3.応急処置
4.リハビリから復帰へ
5.予防トレーニングのご紹介
-----------------------
1.【テニス肘の概要】
テニス肘は上腕骨外側上顆炎とも言います。
上腕骨(二の腕の骨)の外側上顆という
肘の外側の部分に痛みが生じている状態です。
上腕骨外側上顆には短橈側手根伸筋
という筋肉が付着しています(下記図)。
(青い部分が短橈側手根伸筋です)
この短橈側手根伸筋に過度な緊張や短縮などがあると、
付着部である上腕骨外側上顆に慢性的なストレスが加わり、
徐々に痛みが生じていきます。
2.【発生メカニズム】
短橈側手根伸筋に過度なストレスが加わることが
痛みを出現させる主な原因です。
ストレスが加わりやすくなる要因として、
以下のものが挙げられます。
①小指・薬指によるグリップ機能が低下し、
親指側優位のグリップ動作になる
②体全体を使って打つことができず、
いわゆる“手打ち”の動作になる
まず①に関してですが、握力の源は親指側ではなく
小指側の2本の指になります。
しかし小指側の筋の機能低下などでグリップが
親指側優位になってしまうと、短橈側手根伸筋を
過度に利用した無理な握り込みになってしまい、
結果として短橈側手根伸筋の過緊張・短縮などが
生じてしまいます。
次に②ですが、肩甲骨や体幹の機能低下があると、
肘や前腕を過度に使った“手打ち”の動作になりやすいです。
結果として短頭側手根伸筋の負担が増大し、
過緊張・短縮などが生じやすくなります。
3.【応急処置】
多くの場合慢性発症で鈍い痛みであることが多く、
この場合はアイシングよりも、患部を暖めて
筋への血流を増やすことが大切になります。
ただ、脱力を伴う鋭い痛みの場合や、患部に熱感や
腫れがある場合は炎症が起こっていることが考えられるので、
この時はアイシングを行うことをお勧めします。
アイシングについての詳細な方法は
下記Instagramの投稿をぜひご参考下さい!
また、テニス肘バンドの装着も痛みの軽減に有効です。
当院では下記図のようなテニス肘バンドを販売しております!
短橈側手根伸筋部にパッドが当たる構造です。
ご試着も可能ですので、ご希望の方はお気軽にお声掛け下さい!
(ダイヤ工業株式会社製 ¥1,980-)
4.【リハビリから復帰へ】
当院では復帰を推奨する基準の一つとして、
グリップ動作時痛の消失を目安としております。
ちなみに痛みなく発揮できる握力が健側と比べて
半分以下だと、痛みの改善に1ヶ月以上かかる可能性が高いです。
リハビリでは主に以下の要素を改善させ、
復帰に向けての準備を行います!
①短橈側手根伸筋の柔軟性改善
→痛みの原因になりやすい筋肉です。
まずはこの筋肉の過緊張や短縮を改善し、
上腕骨外側上顆にかかるストレスを軽減させます。
②前腕・手関節の正常運動の獲得
→テニス肘になってしまう方の多くは上腕二頭筋が硬く、
腕を内側に捻りにくくなっていることが多いです。
こちらの筋肉の柔軟性を改善させ、
肩から腕にかけてを動かしやすくします。
③前腕の筋力改善および肩甲骨の機能改善
→小指・薬指での握り込み動作と肩甲骨支持機能の
改善を図り、短橈側手根伸筋に負担の少ない
動作獲得のための準備を行います。
④小指・薬指グリップでの前腕回旋動作の
獲得および肩甲骨との協調性改善
→③で鍛えた能力を活かし、実際にラケットなどを持ちながら、
短橈側手根伸筋に負担の少ない動作を練習していきます。
5.【予防トレーニングのご紹介】
1. 前腕セルフリリース
前腕の親指側は短橈側手根伸筋など、
硬くなりやすい筋肉が集まるところです。
日頃からリリースをして、柔軟性を維持しましょう!
筋肉の間に指を入れて把持します。そのまま腕を内外に10回ずつ捻りましょう。
特に硬いところを見つけたら、そこを重点的にやってみてください!
2.グリップトレーニング
小指側優位のグリップ動作獲得のために行います。
小指と薬指でダンベルを握り、小指側から手首を浮かせていきます。
おろす時はゆっくりと行い、負荷を逃さないようにしましょう!
15回を3セットやってみてください。
3.小指側グリップでの捻り運動
先ほどのトレーニングと同じく、
小指側優位のグリップ動作獲得が目的です!
小指と薬指を中心に坊やラケットを握り、
ゆっくり大きく腕を内外に捻ります。
この時、手首が親指側に傾かないよう注意して下さい!
15回を3セット実施してみましょう。
4.フロントレイズ
膝立ちになり、片手にダンベルを持ちます。
お腹の力が抜けて、腰が反らないように気をつけてください。
動かす側の肩甲骨は軽く寄せておき、
動作中はそこから動かないようにしましょう。
肘を軽く曲げたまま、ダンベルを挙げます。
挙げる時に肩がすくまないように気をつけて下さい!
10回を3セット行いましょう。
【ふじみ野駅 徒歩1分 ふじみ野ライフ接骨院 リハ&トレーニングセンター】
0コメント